大木貴之さんのジャンプのすごさをバネトレから迫る!

 アスリートにとってセカンドキャリアはとても大切なものです。特にそれ一筋で取り組んできた方ならば尚のこと。

 今回は15社のオーナーを務める起業家の大木貴之さんがバネトレを初体験!

 その驚異的な跳躍力とバネトレが組み合わさると一体どうなるのでしょうか!?

ジャンプに必要な要素を整理!

 ジャンプに必要なのはなんと言ってもこの姿勢です。

①かかとを上げる

②膝を曲げる

③股関節を曲げる

 この3つが重要な要素でしたね(高橋成美さんの動画と合わせてどうぞ!)。

 ところが……。大木さんはこれを一発で難なくクリア。やはり第一線で活躍されてきた方は一発でツボとコツを抑えることができてしまうのでしょうか。もはやこれだけでも高く跳ぶことができそうな大木さんですが、ここで一つアドバイス。

 高く跳ぶためには、動かないようにしてください!

「え、どうして?」と思われた方のために、次の項目では、こちらを説明していきましょう!

「跳ね返る」という感覚が大切!

 しっかりとジャンプをするときに大切になってくるのは、しっかりと形を固めること。これは関節という物のメカニズムから考えていく必要があります。

 実は関節は私たちの身体の動きをより滑らかにしてくれるだけでなく、衝撃を和らげるいわばショックアブソーバーのような働きをしているわけなんですね。つまり、ジャンプを行う時にこの「バネ」がパワーを分散させてしまうことに繋がりかねないのです。

 関節を「固定する」と言えば良いでしょうか。昔の漫画で「グラップラー刃牙」という漫画があります。自分自身の体重そのものを拳に伝えるという少年漫画ではありがちな必殺技のように感じられますが、いわばこれも同じこと。先ほどの形で固定するのはいわばパワーを溜めること。そして、勝手に「弾む」という感覚を持つこと。

 ただ、強く地面へと向けて力を入れているからこそ跳ね返る。この感覚が大切なわけです!足が動かないように力を入れていると跳ね返る。もちろんこれを瞬間的にやることはなかなか難しいですが、これをバレーのアタックで考えてみましょう。

 まず高く跳ぶ前にしっかりと助走を取ります。

 それから、ジャンプの直前にはしっかりと沈み込み、そして手の動きはバネトレのジャンプの時と同じようにしっかりと後ろにありますね。

 最後に下へと沈み込んだ地面からの反発力を活かして高く跳び、スパイクを叩く。これが高くジャンプを跳ぶ重要なキーワードになっていたわけなんですね!

 では、その場で跳ぶジャンプと助走を付けて跳ぶジャンプ、何が違うのかを次は検証していきましょう!

勢いを受け止める!

 走って前側へと跳ぶジャンプでは、地面への意識はそれほどないかもしれません。なぜならそのまま下に地面を押しても、勢いそのままに前へと跳ぶことができるからです。陸上の走り幅跳びはまさしく勢いをそのままに前へと跳ぶスポーツですよね。

 では、バレーボールのように助走をつけてその場所で跳ぶようなスポーツではどうしているのでしょうか?

 大木さんは「やや(体を)後ろ気味に」と話すように一見すると難解に聴こえるこの理論ですが……。

 体を後ろへと残しながら、足は前側へと跳んでいる感覚、ではあるのですがこれをバネトレのジャンプの形を今一度思い出してみましょう!

 ジャンプの項目で高橋さんが言っていた「カチッ」という言葉。つまり、このフォーム・形を取ることで助走のエネルギーと地面からの反発力、これを活かして高く跳ぶことが大切だということなんですね!

 勢いがあればあるほど、強く前へと押すと高く跳ぶことが叶います。勢いを受け止めて強く前に押す。大木さんも「言われてみると、確かにそうだなって感じですね」と思わず納得してしまう一幕も。

 その後実際に跳んでしまえば、後は着地をすること、スパイクをすることにフォーカスを当てて考えます。

 良く良く考えてみたら、八村塁選手もクリスティアーノ・ロナウド選手も高く跳ぶことは考えても、跳んだあとにジャンプのことは考えないですよね。

 そうなんです。空中は何もしなくても問題ないんです。大木さんも空中では「無」と語ったように、その瞬間のプレーのことだけに集中して考えていたことが良く分かります。空中でいくら力んでも高く跳ぶことは叶いませんからね。

※高くジャンプする感覚を養いたい方は、こちらより確認できます!

まとめ

 大木さんにバネトレの感想を訊くと「自分が何となくできていたことが、再現性を持って説明できるようになりそう」とお話してくださったように、まさしくバネトレはできないことを分かりやすく伝えることで、「できる」ようになることを主眼に置いています。

 それにしても、大木さんが軽く跳んでいるだけなのにすごい跳躍力でしたよね。最後に、大木さんが本気で跳んだらどうなるのかを別の動画より見つけてきましたので、ご確認ください。

 跳躍力はもちろんですが、エネルギーをそのまま叩きつけているようなスパイクの威力もすごいですね……。まるで弾丸のようです。

 もし、ジャンプをしっかりと再現性を持ってできれば、あなたも大木さんのように高く跳ぶことができるかもしれませんね!

プロフィール

大木貴之

1988年栃木県生まれ。中学時代からバレーボールを始め、足利工業大学付属高校(現・足利大学附属高校)在学中に、さくらバレー(全国私立高等学校男女バレーボール選手権大会)で優勝。

身長180センチながらも跳躍力を活かしたスパイクを活かし、宇都宮大学在学中からV・チャレンジリーグ、「つくばユナイテッドSun GAIA」に所属。

2007/08シーズンの最優秀新人賞を受賞。

2010年東レ・アローズに入団。以降、黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会など数々の公式戦で優勝を果たし、2017年にはV・プレミアリーグ、天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会で優勝。同年に退団し、株式会社SPECを立ち上げて代表取締役を務める。