「成功とは?」

アスリートにとってセカンドキャリアはとても大切なものです。特にそれ一筋で取り組んできた方ならば尚のこと。

今回は15社のオーナーを務める起業家の大木貴之さんに引き続きインタビュー。

今回は「どうやって成功を収めてこられたのか?」についてお聞きしました!

現役時代からどんどん動いた方が良い!

 アスリートのセカンドキャリアは極めて難しい問題に直面していると言われております。特にプロ野球選手でもドキュメンタリー番組が作られるほど、どのように次のキャリアを構築していくのかはとても難しい問題です。

 大木さんのように現役時代からセカンドキャリアを意識し、アポイントを取り経営者の方のお話を聴くという事例は極めて稀なこと。一方、それをしてきたからこそ、大木さんは今大きな成功を得ることができたと感じているようです。

「競技と仕事を同時進行で考えていく必要があるんじゃないでしょうか。そうすれば自ずと成功する確率は高くなると思います」

 殊更、現役選手のうちからどんどんと動いていった方が良いということを語るのにも説得力がありますよね。

 実際にアスリートの方が現役時代から副業を行い、大きな成功を収めた事例は多くあります。例えば、日韓ワールドカップの時に来日したデイヴィッド・ベッカムさんは現役時代からモデル・ファッションブランドの実業家、2015年の時点で900億円もの資産を手にされたのだとか。世界的なスター選手であるクリスティアーノ・ロナウド選手も、母国のポルトガルでファッションブランドとトレーニング機器のプロデュースを行っており、いかに現役時代からセカンドキャリアを考えるというのが大切なのかが分かりますよね。

 実際に、全く知識も人脈も無いまま巨額の資金をつぎ込んで大幅な損失を被ってしまった選手もおりますし、詐欺被害に逢ったという選手もいるほど。いかに現役時代から考え、動くことができるかはとても重要だと言えるでしょう。

スポーツとビジネスの似ているところ・違うところ

 第一線で競技と向き合われてきた大木さんは、アスリートとしてスポーツとビジネスで似ているところとそうでないところを言葉を選びながらもこのように語ります。

「スポーツもビジネスも、泥臭いことをやり続けないと結果に結びつかないんですよ。そこは凄く似ていると思います。ただ、スポーツってお金をもらっても『全力を尽くす』ことが大事と言われますよね。ただ、ビジネスってお金をもらったらリターンを返さなければいけない」

 社会人に出たときに何よりも指摘されるのは「結果」を示さなくてはならないこと。それは努力でもなく、プロセスでもない(もちろん大切です)。何よりも業績という形で示してこそ初めてビジネスとして認められるわけですからね。

 ただ、スポーツとして似ているという点でやり続けるということ。これは大木さんのように根気強く積み上げてきた物がある方であれば間違いなく大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。実際に体育会系の人が就職活動で有利と言われるのは、我慢ができることと積み重ねができることが何よりも大きい、と言われています。

 とはいえ、そこまでを含めて楽しみ抜いてきた大木さん。自分が楽しむことができる物を見つけることもまた、大変に重要なのだと痛感いたしました。

まとめ

 いかがだったでしょうか?

 これは大木さんが特別だったか、と言われると私はそうは思いませんでした。むしろ、それだけ自分が何かに打ち込むことができる物事を見つける。その大切さを強く実感したインタビューでもありました。

 今現在、デュアルキャリアという考え方も浸透し始めてきているように、アスリートたちにとっても引退後のキャリアを考えることは大変重要な物となっております。それは引退した後にその業界に残ることができるのは本当に一握りしかいないから。

 だからこそ、今から動く。動く力を大切にしたいと痛感致しました。

 さて、次回はそんな大木さんにもバネトレを経験していただきます!お楽しみに!

プロフィール

大木貴之

1988年栃木県生まれ。中学時代からバレーボールを始め、足利工業大学付属高校(現・足利大学附属高校)在学中に、さくらバレー(全国私立高等学校男女バレーボール選手権大会)で優勝。

身長180センチながらも跳躍力を活かしたスパイクを活かし、宇都宮大学在学中からV・チャレンジリーグ、「つくばユナイテッドSun GAIA」に所属。

2007/08シーズンの最優秀新人賞を受賞。

2010年東レ・アローズに入団。以降、黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会など数々の公式戦で優勝を果たし、2017年にはV・プレミアリーグ、天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会で優勝。同年に退団し、株式会社SPECを立ち上げて代表取締役を務める。